古今著聞集 活用形。 十訓抄『大江山』問題(1)の解答

1.次の動詞の活用表を完成させよ

古今著聞集 活用形

「黒=原文」・ 「赤=解説」・ 「青=現代語訳」 編者:橘成季(たちばなのなりすえ) 原文・現代語訳のみはこちら 阿波の国に智願上人(しやうにん)とて国中に 帰依(きえ) する上人 あり。 帰依(きえ)=(仏や僧に対して)深く信じてひたすら従い頼ること する=サ変動詞「す」の連体形 あり=ラ変動詞「あり」の終止形 阿波の国に、智願上人といって、国中の人が帰依している聖人がいた。 乳母(めのと) なり ける尼、 死に 侍(はべ)りて後、上人のもとに、思は ざるに駄を一疋 まうけ たり。 なり=断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 死に=ナ変動詞「死ぬ」の連用形、ナ行変格活用の動詞は「死ぬ・往(い)ぬ・去(い)ぬ」 侍り=補助動詞ラ変「侍(はべ)り」の連用形、丁寧語。 ~です、ます。 言葉の受け手(読み手)である読者を敬っている。 地の文なので作者からの敬意。 英語で言う助動詞「canやwill」みたいなもの。 英語だと、「need」には助動詞と通常の動詞としての用法があるが、「候ふ・侍り」も意味は違うがこれみたいなもの ざる=打消の助動詞「ず」の連体形、接続は未然形 まうけ=カ行下二動詞「設(まう)く」の連用形、得る、利益を得る。 用意する、準備する たり=完了の助動詞「たり」の終止形、接続は連用形 (その上人の)乳母であった尼が、死にまして後に、上人のもとに、思いがけなく駄馬(荷物を運ぶための馬)を一頭手に入れた。 これに乗りて ありくに、道の はやきのみにあら ず、 あしき道をゆき、河をわたる時も、 あやふきこと なく、 ありく=カ行四段「歩(あり)く」の連体形 はやき=ク活用の形容詞「速し」の連体形 ず=打消の助動詞「ず」の連用形 あしき=シク活用の形容詞「悪(あ)し」の連体形、良くない、悪い、卑しい あやふき=ク活用の形容詞「危(あや)ふし」の連体形 なく=ク活用の形容詞「無し」の連用形 (上人が)この馬を乗って歩き回ると、脚が速いだけでなく、悪い道を(難なく)行き、河を渡る時も、危ないことがなく、 いそぐ用事ある時は、むちのかげを 見 ね どもはやくゆき、 のどかに思ふ時は、 しづかなり。 見=マ行上一動詞「見る」の未然形。 逆接の恒常条件「たとえ~でも、(やはり)…」 のどかに=ナリ活用の形容動詞「のどかなり」の連用形 しづかなり=ナリ活用の形容動詞「静かなり」の終止形 急ぐ用事がある時は、鞭を全く見せなくても速く行き、のんびり行こうと思う時は、静かに行くのだった。 ことにおきて ありがたく思ふさま なるほどに、この馬ほどなく 死に ければ、上人惜しみなげき けるほどに、 ありがたく=ク活用の形容詞「有り難し」の連用形、めったにない、珍しい なる=断定の助動詞「なり」の連体形、接続は体言・連体形 死に=ナ変動詞の連用形 けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 何事においても、珍しく思う(馬の)様子であったが、この馬はまもなく死んでしまったので、上人は惜しんで嘆いているときに、 またすこしも たがは ぬ馬 いでき に ければ、上人よろこびて、前(さき)のやうに秘蔵して乗りありき けるに、 たがは=ハ行四段動詞「違(たが)ふ」の未然形 ぬ=打消の助動詞「ず」の連体形、接続は未然形 いでき=カ変動詞「出で来(いでく)」の連用形、出て来る、現れる に=完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形 けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 また(前の馬と)少しも違わない馬が現れたので、上人は喜んで、以前のように大事にして乗りまわっていたところ、 ある尼に霊つきて あやしかり ければ、「たれ人の何事に おはし たる ぞ」と問ひ ければ、 あやしかり=シク活用の形容詞「あやし」の連用形、異常だ、普通でない けれ=過去の助動詞「けり」の已然形、接続は連用形。 もう一つの「けれ」も同じ おはし=サ変動詞「おはす」の連用形、「あり」の尊敬語。 いらっしゃる、おられる、あおりになる。 動作の主体である霊を敬っている。 この敬語を使った人は上人なので、上人からの敬意。 たる=存続の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 ぞ=係助詞、ここでは問いただす意味で使われている。 ある尼に靈(=正体は上人の乳母の霊)がついておかしなことがあったので、「誰がどういうわけで(このように霊として)いらっしゃるのか。 」と(上人が)問うと、 「我は上人の御乳母 なり し尼 なり。 上人の御事をあまりに おろかなら ず思ひ たてまつり しゆゑに、 なり=断定の助動詞「なり」の連用形、接続は体言・連体形 し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 なり=断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形 おろかなら=ナリ活用の形容動詞「おろ(疎・愚)かなり」の未然形、おろそかだ、いいかげんだ ず=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 たてまつり=補助動詞ラ行四段「奉る」の連用形、謙譲語。 動作の対象である上人を敬っている。 この敬語を使った霊からの敬意。 し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 (霊は答えて)「私は上人の御乳母であった尼です。 上人の御事が、あまりにも放っておけず(心配に)思い申し上げたために、 馬と なりて久しく上人を負ひ たてまつりて、 つゆも御心に たがは ざり き。 なり=ラ行四段動詞「成る」の連用形 たてまつり=補助動詞ラ行四段「奉る」の連用形、謙譲語。 動作の対象である上人を敬っている。 この敬語を使った霊からの敬意。 つゆも=「つゆ」の後に打消語(否定語)を伴って、「まったく~ない・少しも~ない」となる重要語。 ここでは「ざり」が打消語 たがは=ハ行四段動詞「違(たが)ふ」の未然形 ざり=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形。 き=過去の助動詞「き」の終止形、接続は連用形 馬となって、長らく上人を(馬として背中に)お乗せして、まったく(上人の)御心にさからいませんでした。 ほどなく生をかへて 侍り しか ども、 ひじり なほ わすれがたく思ひ たてまつり しゆゑに、 侍り=ラ変動詞「侍(はべ)り」の連用形、謙譲語。 お仕え申し上げる、お控え申し上げる。 動作の対象である上人を敬っている。 この敬語を使った霊からの敬意。 しか=過去の助動詞「き」の已然形、接続は連用形 ども=逆接の接続助詞、直前には已然形が来る。 ひじり=智願上人のこと。 高徳な僧のことを指す なほ=副詞、やはり、依然として わすれがたく=ク活用の形容詞「忘れ難し」の連用形 たてまつり=補助動詞ラ行四段「奉る」の連用形、謙譲語。 動作の対象である上人を敬っている。 この敬語を使った霊からの敬意。 し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 まもなく生まれ変わって(上人に)お仕え申し上げましたが、上人のことがやはり忘れられないように思い申し上げたために、 また同じさま なる馬と なりて、今もこれに 侍る なり」と言ふ。 なる=断定の助動詞「なり」の連体形、接続は体言・連体形 なり=ラ行四段動詞「成る」の連用形 侍る=ラ変動詞「侍(はべ)り」の連体形、丁寧語。 あります、ございます、おります。 言葉の受け手(聞き手)である上人を敬っている。 この敬語を使った霊からの敬意。 なり=断定の助動詞「なり」の終止形、接続は体言・連体形 また同じ様子の馬になって、今もここにございます」と言う。 上人、これを聞くに、 年ごろも あやしく思ひ し馬のさま なれば、 思ひあはせ らるることども あはれに おぼえて、 年ごろ=名詞、長年、長い間 あやしく=シク活用の形容詞「あやし」の連用形、不思議だ。 異常だ、普通でない し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 なれ=断定の助動詞「なり」の已然形、接続は体言・連体形 思ひあはせ=サ行下二動詞「思ひ合はす」の未然形、あてはめて考える、思い当たる。 らるる=自発の助動詞「らる」の連体形、接続は未然形。 「らる」には「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があるがここは文脈判断。 自発:「~せずにはいられない、自然と~される」 あはれに=ナリ活用の形容動詞「あはれなり」の連用形。 「あはれ」はもともと感動したときに口に出す感動詞であり、心が動かされるという意味を持つ。 感動する。 しみじみと思う、しみじみとした情趣がある。 おぼえ=ヤ行下二動詞「思(おぼ)ゆ」の連用形。 (自然と)思われる 上人はこれを聞くと、長年、不思議だと思っていた馬の様子なので、(自然と)思い当たる事などもしみじみと思われて、 堂を建て仏をつくり、供養して、かの 菩提(ぼだい)を とぶらは れ けり。 馬を ば ゆゆしく いたはりて ぞ置き たり ける。 菩提(ぼだい)=名詞、成仏すること、極楽往生すること、死後の冥福 とぶらは=ハ行四段動詞「弔(とぶら)ふ」の未然形、弔う、弔問する。 れ=尊敬の助動詞「る」の連用形、接続は未然形。 「る」には「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があるがここは文脈判断。 動作の主体である上人を敬っている。 地の文なので作者からの敬意。 けり=過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 ば=係助詞。 強調する意味があるが、訳す際には無視して構わない。 ゆゆしく=シク活用の形容詞「忌々(ゆゆ)し」の連用形、触れてはならない神聖なことが原義。 (良くも悪くも)程度がはなはだしい いたはり=ラ行四段動詞「労(いたは)る」の連用形。 大切に扱う。 苦労して努める。 病気になる ぞ=強調の係助詞、結びは連体形となる。 係り結び たり=完了の助動詞「たり」の連用形、接続は連用形 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形。 係助詞「ぞ」を受けて連体形となっている。 係り結び 堂を建て仏を造って、供養をして、その菩提(上人の乳母であった尼の極楽往生)をお弔いになった。 (上人は、)馬をとても大切にしておいた。 執心(しふしん)の ふかきゆえにふたたび馬に 生まれて志を あらはし ける、いと あはれなり。 執心(しふしん)=名詞、深く心にかけること、執着心 ふかき=ク活用の形容詞「深し」の連体形 生まれ=ラ行下二動詞「生まる」の連用形 あらはし=サ行四段動詞「あらはす」の連用形 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 あはれなり=ナリ活用の形容動詞「あはれなり」の終止形。 「あはれ」はもともと感動したときに口に出す感動詞であり、心が動かされるという意味を持つ。 感動する。 しみじみと思う、しみじみとした情趣がある。 (乳母が上人を思う)愛の心が深いために、再び馬に生まれて、その気持ちをあらわしたということは、とても趣のあることだ。 lscholar.

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老僧の水練・古今著聞集 現代語訳・品詞分解ひと目でわかる

古今著聞集 活用形

おねがいします。 式部の大輔大江匡衡朝臣の息、式部の権の大輔挙周朝臣、重病を受けて、たのみすくなく見えければ、母赤染右衛門、住吉にまうでて、七日籠りて、「このたび助かりがたくは、すみやかにわが命に召しかふべし」と申して、七日に満ちける日、御幣のしでに書きつけ侍りける かはらんと祈る命は惜しからでさても別れんことぞかなしき かくよみて奉りけるに、神感やありけん、挙周が病よくなりにけり。 母下向して、喜びながらこの様を語るに、挙周いみじく嘆きて、「我生きたりとも、母を失ひてはなんのいさみかあらん。 かつは不幸の身なるべし」と思ひて、住吉に詣でて申しけるは、「母われにかはりて命終はるべきならば、すみやかにもとのごとくわが命を召して、母を助けさせ給へ」と泣く泣く祈りければ、神はあわれみて御助けやありけん、母子共に事ゆえ鳴ゆゑなくはべりけり。 投稿日時 - 2011-12-30 15:42:00 式部省の大輔(次官である)大江匡衡朝臣の息子の、式部省の権(定員外)の大輔挙周朝臣が、重病にかかって、(生きる)期待が少なく(=臨終近くに)見えたので、母である赤染右衛門は住吉神社に参詣し、七日間お籠り(参籠)をして、「今回(子供の挙周朝臣の命が)助かるのがもし難しいのならば、すぐに(挙周朝臣の命の代わりに)私の命にお取り替えになられよ」と(住吉の神に)お願いして、七日の満願の日に、御幣のしで(下げ紙)に書き付けました(和歌に) (挙周朝臣の命に)変わろうと(神に)祈る(自分の)命は惜しくなくて、それにしても(挙周朝臣と)別れることが悲しい このように(和歌を)詠んで(神に)献上したところ、神が深く心動かせられたことがあったのだろうか、挙周朝臣の病気はよくなったのだ。 母は参籠から帰って、喜びながらこのありさまを(挙周朝臣に)話すと、挙周朝臣はたいそう嘆いて、「私がもし生きていても、母を亡くしては何の生き甲斐があるのだろうか。 (命ながらえるという幸福の)一方では(母を亡くしたという)不幸の境遇になるだろう」と思って、住吉神社に参拝して(神に)申し上げた(お願いした)のは、「(私の命が助かるために)母が私に成り代わって命が終わらねばならないならば、早く元のように私の命をお召しになって、母(の命)をお助けなされよ。 」と泣く泣く(神に)祈ったところ、神はしみじみと心打たれて御助けがあったのだろうか、 意味で問題になるところは少ないのですが、文法的な説明 籠りて=お籠り(参籠)=期限をあらかじめ決めて、神仏に願いをかけること。 ここでは赤染右衛門が住吉神社に七日間籠って願いをかけたこと。 助かりがたくは=形容詞(がたく)の連用形+係助詞「は」=順接の仮定条件=~ならば 召しかふべし=ここでは二人称なので、「べし」は適当・命令。 かはらん=ここでは一人称なので「ん」は意志 さても=副詞そうであっても、そのまま。 接続詞ところで、それにしても 満ちける日=お籠りの期限に達した日。 満願の日。 ここでは七日目。 奉りけるに=「に」は接続助詞 神感やありけん=「けん(む)」は上に疑問を表す係助詞「ぞ」を伴って、過去の原因推量=~だろう(か) 病よくなりにけり=「にけり」の場合の「に」は基本的に完了の助動詞 語るに=「に」は接続助詞 生きたりとも=ここでは「たり」は完了ではなく存続の助動詞~ている。 「とも」は接続助詞。 逆接の仮定条件。 ~としても・~ても いさみ(勇み)=乗り気、気が進むこと、気力、勇気 いさみかあらん=疑問の係助詞「か」があるので「ん(む)」は推量の助動詞。 =~だろう(か) すみやかに=「に」は形容動詞「すみやかなり」の活用語尾 母を助けさせ給へ=「させ給へ」は一般には二重敬語ですが、ここでは「給へ」が命令形なので、「させ」は使役と考えた方が良いと思います。 祈りければ=已然形+接続助詞「ば」は普通は理由・原因を表す逆接の確定条件(~ので、~から)ですが、ここでは内容から、偶然条件(~と、~ところ)の方が良いと思います。 母子共に事ゆえ鳴ゆゑなくはべりけり。 =打ち間違いがあるようで、意味が通じません。 古今著聞集は持っているのですが、見つからないのでここまでの訳で。 説明に「に」が多いのはいろいろな文法的な種類の「に」が多いので、不必要かもしれませんが、高校の模試や大学入試に出易いので。 投稿日時 - 2012-01-01 18:16:58 「口語」訳ですね? 一切辞書などを調べず、ザックリと口語にします。 役職は自分でどんな職場で、地位なのか、調べてください。 式部省の大輔である大江「匡衡」朝臣の息子で、式部の権の大輔をしている「挙周」朝臣が、重病になって、死期が間近になったように見えたので、母である「赤染右衛門」は、住吉神社にもうでて、七日間籠もって祈願し、「今回、どうしても助けて頂けないなら、代わりにすぐに私の命を受け取ってください」と神様に申し上げ、参籠の七日が終わる日、御幣に下がっている紙に書き付けたのは 息子に代わりたいと祈る私の命は惜しくないですが、それでもやっぱり子供と別れることがとてもツライことです (というものだった) こういう歌を詠み申し上げたので、神様が感じられたのでしょう、 挙周の病気はよくなりました。 母は神社から退出して、喜びながらこの様子を息子に語ったところ、息子の挙周はたいそう悲しんで、「私が生きたとしても、母を失ってしまってはなんの生きるかいがあろうか。 なんと不幸なことだろうか」 と思って、住吉神社に参詣して神様に申し上げたのは、「母が私に代わって命を終わらせる運命なら、すみやかに元のように私の命を取り上げて、母を助けてくださいませ」と泣く泣く祈ったところ、神様は哀れんでお助けくださったのだろうか、母子ともに問題なくなったのでございました。 「はべり」は、 あり、おり、はべり、いまそがり ってセットで覚えた単語「あるの丁寧語」で、「けり」は「その話はケリがついた」などのケリですが、「事ゆえ鳴ゆゑなく」 がちょっと判りません。 前後の脈絡からすると、「なく(無く)」の当て字でしょうか?そう考えて訳しました。 ----- 現代文とそんなに変わりません。 多少想像力を働かせながら、場面を想像しながら読むと、十分理解できる文章だと思います。 1文ずつ照らし合わせて、訳していない文があったらご指摘ください。 投稿日時 - 2011-12-31 02:35:50.

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活用の種類と活用形を教えてください。あと、用言の切れ目が間違ってい

古今著聞集 活用形

伊予守 源頼義の朝臣は、安倍貞任・宗任らを攻める間、陸奥で十二年の月日を送った。 実際は九年間ではなく、このように十二年間にわたって戦いが行われたとされている。 鎮守府 =名詞 を =格助詞 発ち =タ行四段動詞「発つ(たつ)」の連用形 て =接続助詞 秋田 =名詞 の =格助詞 城 =名詞 に =格助詞 移り =ラ行四段動詞「移る」の連用形 ける =過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 に =接続助詞 雪 =名詞 はだれに =ナリ活用の形容動詞「斑なり(はだれなり)」の連用形、斑であるさま、雪がはらはらと薄く降り積もるさま 降り =ラ行四段動詞「降る」の連用形 て =接続助詞 軍 (いくさ)=名詞 の =格助詞 男ども =名詞 の =格助詞 鎧 =名詞 みな =副詞 白妙 (しろたへ)=名詞 に =格助詞 なり =ラ行四段動詞「成る」の連用形 に =完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形 けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 鎮守府を 発 た ちて、秋田の城に移り ける に、雪、 はだれに 降りて、 軍 いくさ の男どもの鎧みな 白妙 しろたへ になり に けり。 鎮守府を出発して、秋田の城に移ったところ、雪がはらはらとまだらに降って、軍の男たちの鎧はすっかり白くなってしまった。 盾 =名詞 を =格助詞 いただき =カ行四段動詞「頂く・戴く(いただく)」連用形、頭の上に乗せる、「もらふ・飲む・食ふ」の謙譲語 て =接続助詞 甲 (かぶと)=名詞 に =格助詞 重ね =ナ行下二段動詞「重ぬ」の連用形 筏 (いかだ)=名詞 を =格助詞 組み =マ行四段動詞「組む」の連用形 て =接続助詞 攻め =マ行下二段動詞「攻む」の連用形 戦ふ =ハ行四段動詞「戦ふ」の連体形 に =接続助詞 衣川の 館 たち 、岸高く川ありければ、盾をいただきて 甲 かぶと に重ね、 筏 いかだ を組みて攻め戦ふに、 (安倍貞任・宗任らの拠点である)衣川の城は、岸の高い川の近くにあったので、(源頼義らの軍は)盾を頭上にかかげて甲の上に重ね、筏を組んで攻めたてたところ、 貞任ら =名詞 耐へ =ハ行下二段動詞「耐ふ」の未然形 ず =打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 して =接続助詞 つひに =副詞 城 =名詞 の =格助詞 後ろ =名詞 より =格助詞、起点「~から」 逃れ落ち =タ行上二段動詞「逃れ落つ」の連用形 ける =過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 を =格助詞 一男 (いちなん)=名詞 八 はち 幡 まん 太 た 郎 らう 義家 よしいへ =名詞 衣川 =名詞 に =格助詞 追ひたて =タ行下二段動詞「負ひたつ」の連用形 攻め伏せ =サ行下二段動詞「攻め伏す」の連用形 て =接続助詞 貞任ら耐へずして、つひに城の後ろより逃れ落ちけるを、 一男八幡 いちなんはちまん 太 た 郎 らう 義家 よしいへ 、衣川に追ひたて攻め伏せて、 貞任らは耐えられなくて、とうとう城の後ろから逃げて行ったのを、(源頼義の)長男の八幡太郎義家は、衣川に追い詰め攻撃して、 きたなく =ク活用の形容詞「きたなし」の連用形、卑怯だ、見苦しい。 けがれている。 も =係助詞 後ろ =名詞 を =格助詞 ば =強調の係助詞。 意味は強調なので無視して訳す。 見する =サ行下二動詞「見す」の連体形、見せる もの =名詞 かな =詠嘆の終助詞 しばし =副詞 引き返せ =サ行四段動詞「引き返す」の命令形 もの =名詞 言は =ハ行四段動詞「言ふ」の未然形 む =意志の助動詞「む」の終止形、接続は未然形。 この「む」は、㋜推量・㋑意志・㋕勧誘・㋕仮定・㋓婉曲の五つの意味があるが、文末に来ると「㋜推量・㋑意志・㋕勧誘」のどれかである。 あとは文脈判断。 と =格助詞 言は =ハ行四段動詞「言ふ」の未然形 れ =尊敬の助動詞「る」の連用形、接続は未然形。 「る」には「受身・尊敬・自発・可能」の四つの意味があるがここは文脈判断。 「きたなくも、後ろをば見するものかな。 しばし引き返せ。 もの言はむ。 」と言はれたりければ、 「卑怯にも、後ろ姿を見せるものだよ。 ちょっと引き返せ。 言いたいことことがある。 」と(義家は)お言いになったので、 貞任 =名詞 見返り =ラ行四段動詞「見返る」の連用形 たり =完了の助動詞「たり」の連用形、接続は連用形 ける =過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 に =接続助詞 貞任見返りたりけるに、 貞任が振り返ったところ、 衣 =名詞 の =格助詞 たて =名詞、掛詞、縦糸の「縦」と衣川の「館」が掛けられている。 掛詞の見つけ方(あくまで参考に、いずれも必ずではありません。 と =格助詞 言へ =ハ行四段動詞「言ふ」の已然形 り =完了の助動詞「り」の連用形、接続はサ変なら未然形・四段なら已然形 けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 貞任 =名詞 くつばみ =名詞、馬の口にかませる金具。 轡(くつわ)とも言う。 を =格助詞 やすらへ =ハ行下二動詞「休らふ(やすらふ)」の連用形、休ませる。 ゆるめさせる しころ =名詞 を =格助詞 振り向け =カ行下二段動詞「振り向く」の連用形 て =接続助詞 と言へりけり。 貞任くつばみをやすらへ、しころを振り向けて、 と(義家は)言った。 貞任は馬のくつわを緩め、甲のしころを振り向けて、 年 =名詞 を =格助詞 経 (へ)=ハ行下二動詞「経(ふ)」の連用形、(時間が)経つ、過ぎる し =過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 糸 =名詞 いと=掛詞、「糸」と「意図(作戦)」が掛けられている の =格助詞 乱れ =名詞 の =格助詞 苦しさ =名詞 に =格助詞 年を 経 へ し 糸の乱れの 苦しさに 長い年月を経て糸が乱れがひどくなるように、長年にわたる作戦の乱れがひどいので と =格助詞 付け =カ行下二段動詞「付く」の連用形 たり =完了の助動詞「たり」の連用形、接続は連用形 けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 そ =代名詞 の =格助詞 とき =名詞 義家 =名詞 はげ =ガ行下二動詞「矧ぐ(はぐ)」連用形、弓に矢をつがえる、弓の弦に矢を当てる たる =存続の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 矢 =名詞 を =格助詞 さし外し =サ行四段動詞「さし外す(はずす)」の連用形 て =接続助詞 帰り =ラ行四段動詞「帰る」の連用形 に =完了の助動詞「ぬ」の連用形、接続は連用形 けり =過去の助動詞「けり」の終止形、接続は連用形 と付けたりけり。 そのとき義家、はげたる矢をさし外して帰りにけり。 と(貞任は義家の詠みかけに)付け加えた。 そのとき義家は、弓の弦にあててかまえていた矢を外して帰ってしまった。 さばかり =副詞、それほど、そのくらい。 それほどまでに。 「さ」と「ばかり」がくっついたもの。 「さ」は副詞で、「そう、そのように」などの意味がある。 の =格助詞 戦ひ =名詞 の =格助詞 中 =名詞 に =格助詞 やさしかり =シク活用の形容詞「やさし」の連用形、優雅だ、上品だ。 身が痩せる細るようだ、つらい。 ける =過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 こと =名詞 かな =詠嘆の終助詞 さばかりの戦ひの中に、やさしかりけることかな。 それほどの戦いの中で、(義家と貞任は)優雅であったことだよ。 それ程の戦いのなかで、義家と貞任は歌のやり取りをするほど優雅な振る舞いであった。

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