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『魔法科高校の劣等生』小説最新刊(31巻)までのあらすじまとめ

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この作品の素晴らしいところは「魔法は呪文を唱えれば発動される」と言うファンタスティック(おとぎ話)な要素ではなく、「魔法は現代の技術として体系化されたもの」として描かれている点にあると言えます。 さて、この作品の一番の見所はヒロインの 司波深雪(しばみゆき)の神秘的な魅力も去ることながら、卓越する能力があるにも関わらず入学試験の成績から下位のクラスに入ることとなった主人公 「司波達也(しばたつや)」の活躍でしょう。 しかし、その活躍ぶりに「達也って何者?」「なぜ、あそこまで冷静なの?」と思われる方も多いはず。 そこで今回は主人公の達也の秘密について解説していこうと思います。 もちろん、以下はネタバレです! そもそも「魔法科高校」って何? まず、主人公の達也と妹の深雪が入学する 『国立魔法大学付属第一高校』について触れておきましょう。 しかし、入学試験の成績によって 「一科生(ブルーム)」と 「二科生(ウィード)」にわけられるのですが、一科生と二科生では制服のエンブレムや授業内容が異なり、また成績に対するプライド意識から一科生が二科生を見下すなど「生徒格差」が蔓延している特徴があります。 そんな第一高校に入学することとなった達也と深雪でしたが、成績首位で総代を努めることとなった深雪に対し、達也はペーパーテストこそ過去最高点をマークする成績を収めるものの、「魔法の実技」では得点を上げることができなかったため「二科生」として入学することとなります。 司波達也に周囲が度肝を抜かされる名シーン! この作品をみていて気持ちいいのは、 二科生として冷ややかな目で見られている達也がハンパない強さで問題を解決し周囲が驚愕するところではないでしょうか? (1)服部との対決! 入学早々の【第2話】で魔法を分析する能力を買われ「風紀委員」に選抜された達也でしたが、二科生より風紀委員に登用した実績がないことや、一科生と言う自身メンツから生徒会副会長の「服部 刑部少丞 範蔵(はっとり ぎょうぶしょうじょう はんぞう)」は異議を唱え、達也と直接対戦することに… 結果は達也の一方的な勝利! そして、この対決で達也が有している能力が入学試験では評価対象外であり 「入試(テスト)が本当の能力を示していない」ことに気が付かされた生徒会の面々は、達也の隠された能力に恐々します。 (2)剣道部と剣術部の乱闘を鎮圧! 風紀委員として活動する達也は【第3話】で、剣道部の壬生紗耶香(みぶさやか)と剣術部の桐原武明(きりはらたけあき)の衝突&乱闘を瞬時に鎮圧! 良くも悪くも注目の的に… (3)九校戦での「グラム・デモリッション」 【第15話】では、負傷した自校の生徒に変わり、技術スタッフだった達也は急きょ九校戦に出場することに。 そして、できる人はほとんどいないと言われる対抗魔法「術式解体(グラム・デモリッション)」を発動し、達也をライバル視する一条将輝(いちじょうまさき)や生徒会長の七草真由美(さえぐさまゆみ)らを驚かせます。 (4)空中浮遊術で優勝する深雪 九校戦の【第17話】では、達也が考案したCAD(空中浮遊)で見事に優勝する深雪。 司波達也の正体は? で、答えですが、これはアニメ本編(高校生)より昔にさかのぼります。 まず、達也と深雪は「十師族」と呼ばれる日本魔法師界に君臨する10の家柄の中、最も実力があるとされる 『四葉家』の現当主の甥姪にあたります。 (秘密主義の家系であるため対外的に「司波」の名字を使用し、過去の個人データも操作されているとのこと) そして、隠された能力は魔法に対して深雪より能力が低かった達也に対して、四葉家のメンツを意識した母親によって行われた「人造魔法師実験」が影響します。 ここで達也は魔法の「分解」と「再構築」の能力を会得しますが、その反面「妹を愛する」と言う感情以外は排除され、自身が有する魔法の力もこの分解と再構築に占有されることになってしまいます。 これにより、魔法の能力に偏り(アンバランス)が生じるわけです。 【第24話】では、「全国高校生魔法学論文コンペティション」最中に横浜に急襲した大亜連合軍の艦隊に対応するために軍の情報規制が一部解除され、七草・十文字克人(じゅうもんじ かつと)・渡辺摩利(わたなべまり)ら生徒を前に、国防軍少佐の風間玄信(かざまはるのぶ)が達也に『特務』を命じます。 (「えっ、特務!?」「軍人なの!?」など、状況がすぐに飲み込めない周囲の生徒の様子や、やむを得ず正体を明かす達也をみていると「達也すごっ!」って思いますね。 ) そもそも、達也が軍に関わることとなったのは人造魔法師実験後の家族旅行でのこと。 訪れた沖縄で侵攻に巻き込まれた達也は、国防軍少佐の風間玄信(かざまはるのぶ、上図で敬礼している軍人)と出会い、深雪を傷つけた敵に復讐するために共闘し、達也はそれ以降「特務」と言う非公式なポジションで活動することとなります。 ちなみに、深雪が「お兄様」とブラコンぶりを発揮することとなったのは、このとき達也に 『再生魔法』によって命を救われたのがきっかけです。 (再生とは重傷者を復元ポイントまで身体を回復させる能力のことで、日本でその能力を有するのは達也を含めて2人しかいないとのこと。 ) また、中条あずさ(なかじょうあずさ)は魔工師(エンジニア)の「トーラス・シルバー」を敬愛していましたが、そのシルバーは達也(トーラスは牛山)のことです。 (高校生なのにスゴイ!!) と、達也のスゴイ能力はこの通りなのですが、一方、深雪への愛情を除く感情(悲しみ・嫉み・恨みなど)が奪われてしまったのも、なんだか悲しい話です。 アニメ第一期は終了しましたが、2017年6月には『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』も公開されますし、原作はまだまだ続いていますので達也と深雪の活躍に注目したいですね。

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魔法科高校の劣等生2期の声優キャラまとめ一覧【来訪者編】

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(第一高校の)魔法工学科 において、2096年4月から試験的に新設された学科。 通称「魔工科」。 技術系に重点を置いたカリキュラムを与えられる。 ではどんなに高く見積もってもCランクにしか届かないが、実際の現場ではAランクを凌駕するほどの実績を、対内的にも対外的にも上げていることを受け、学校の外聞を守るために新設された。 96年度の時点では2年次から 一般魔法科 (一科および二科)か魔工科かを選択することができ、魔工科志望者は1年次3月の試験をパスすることで魔工科に転科できる。 2年次からは一科4クラス・二科3クラス・魔工科1クラスという編成になる。 96年度は、、、、らが魔工科に転科し、2-Eに進級した。 また、魔工科新設に伴い、魔工科に転科した一科生の人数分、二科生の実技成績上位者が一科に転科することが認められた( 幹比古 )。 試験的な新学科であるため、から新たな教師( ジェニファー・スミス )の派遣を受けた。 良好な成果が認められれば、将来的には入学時点から一般魔法科と魔法工学科に分けて新入生を募集することも計画されている。 制服のブレザーには、八枚歯のギアを意匠化した、一科生の八枚花弁とよく似た意匠のエンブレムが刺繍されている。 作中から推測される座席配置 教卓 生徒 生徒 生徒 生徒 生徒 生徒 生徒 生徒 生徒? 生徒 生徒 生徒? 生徒 生徒 生徒 生徒? 生徒 生徒 生徒.

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『魔法科高校の劣等生シリーズ』小説・漫画の順番、時系列まとめ

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[chapter:私への嫉妬] 「……真夜」 「姉さん」 目を開けてから、初めて見た少女の顔は、とても綺麗だった。 歳は中学生になるくらい。 「清楚さ」と「儚さ」が具現化したかのように、幼い可憐さのなかに年齢を越えた幻想の美を兼ね備えている。 辛そうな、今にも泣き出しそうな顔。 その辛さを悟られないよう、表情を抑えているつもりだろう。 しかし赤く腫れ上がった目元がその努力を裏切っていた。 悲しみを抑えきれないのは当然だろう。 彼女の愛する妹に、何があったかを想像すれば……。 だがその「妹」のことを、なぜか他人のように感じる自分がいた。 その「妹」とは、間違いなく「私」のはずなのに。 目の前にいる少女のことも、まるで初対面のように感じる。 この綺麗な女の子は、「私」にとって双子の姉であるはずだ。 本当なら、ずっとそばで眺めてきた顔だった。 顔立ちや声が記憶のデータベースと一致し、迷うまもなく名前を導き出せる。 彼女は四葉深夜。 私(四葉真夜)の、姉さん。 後で知ったことだが(深夜に聞いたのではなく、独学だ)、人間の記憶には「実感としての記憶」と「知識としての記憶」とは別に、「手続き記憶」と呼ばれるものがあるらしい。 ナイフとフォークの使い方や、服を着る順番、ひもの結び方や、体を洗う際のクセを忘れたりしないように。 意識上の知識や実体験とは異なる、無意識にしみ込んだ記憶。 それは深夜の精神構造干渉魔法で改変されることなく、原型を留めていた(でなければ、流暢に言葉を発することにすらリハビリを要しただろう)。 真夜の口から「姉さん」という呼び名がすっと出てきたのも、日頃のクセが呼び起こされた結果だった。 それは反射神経のようなものであって、実際に「姉」と意識して呼んだわけではない。 だが「目覚めたばかりの真夜」にとって、この平凡な呼称は、重大な意味をもって受け止められていた。 ……姉さん。 そこには、紛れもなく親密な、安心しきった響きを感じる。 「姉さん」 この響きが、自分の口から自然に紡がれることが、生まれ変わったばかりの身には嬉しかった。 「かつての真夜」は消滅したかもしれない。 それでも「今の真夜」が確実に「生きている」ことの拠り所のように思えた。 真夜がそう感じた瞬間、深夜はかけがえのない存在となった。 卵から孵化して、初めて見たものにインプリンティングされる雛鳥のように。 真夜が目覚めたときに初めて「実感」できたのは、悲しみをたたえた深夜の可憐さであり、自分の喉を震わせた「姉さん」という言葉だった。 「個人としての経験」を何ひとつ持たずに生まれ変わったとしたら、私とは一体誰なのか? という苦悩に陥っていたことだろう。 だが、私には「姉さん」と呼べる人がいる。 まるで早送りの映画を観るかのような、味気のない記憶しか真夜には残されていない。 そんな過去には、面白みもなければ思い入れもなかった。 何を基準に生きてきたのか、まったく理解できなかった。 しかし、深夜という少女を特別扱いした「姉さん」という呼び方だけは、自分の大切な記憶として刻印すべきだと感じたのだ。 この人はきっと、私にとって「軸」になる存在かもしれない。 生まれたばかりの無垢な自我の中で、真夜は確かに、そう直感したのだ。 頭のなかの「記録」を眺めれば、「私」がこの少女を愛していたことが解る。 ただし、そのときの感情は一切蘇らなかった。 今の彼女にわかるのは、思わず「姉さん」と呼んだクセのなかに、確かな愛情の響きが込められていることくらいだった。 そして何よりも実感できることが、ひとつ生まれた。 悲哀に満ちていた姉の表情を見詰めているうちに、たまらないくらいに可愛い……、と胸をときめかせていた事実だ。 血縁者の顔に愛着を感じることはあっても、綺麗、とまで思うのはナルシズムのようかもしれない。 しかし実感を失ったということは、今まで眺めてきた深夜の顔も、せいぜい「テレビで見たことがある」程度のボンヤリした印象へと低下するということだ。 生まれ変わった真夜にとって、あらゆる光景は「知ると見るとは大違い」と感じるもので、ホンモノとの接触はなにもかもが刺激的なのだ。 それは己の顔であっても変わらない。 「生まれて初めて自分を鏡で見る」のが12歳になってようやく、という人間と同じだ。 この経験によって真夜は、以前よりもはっきりと自分の美貌を自覚できるようになった。 驚くほど綺麗だねと褒められることと、自分を見て綺麗さに驚くことでは認識のレベルが違う。 このくらい迫力のあるものを武器にしない手はないし、磨かないのは損だと素直に思ったくらいだ。 その意味では、真夜はナルシストの性癖を獲得した、と評せなくもない。 水面に映る己を見詰めたナルキッソスと同じく、自分自身を「私の体のはずなのに他人の体のようだ」と感じているのだから。 だから姉の可憐さにときめいたのも、記憶のなかの愛着とはまるで関係なく、本能的に美しさを感じる造形だったから……に他ならなかった。 「見慣れる」という防護壁さえなければ、誰であってもこの双子の美貌には心を奪われるに違いない。 その上で、真夜は姉と自分の顔を「好み」で区別していた。 表情が違うのだ。 どちらかというと真夜の表情は勝ち気そうで派手な印象があり、深夜は物静かで内気な印象があった。 たまらなく可愛い、と感じた第一印象のイメージを裏切らない、アンニュイな表情を良く見せる深夜が好きだった。 彼女たちの美しさは天賦のものだったが、どんな生き方をするかによって、プリズムのように輝き方を変えるのだと真夜は学んだ。 素材としては抜群なのだと充分に自覚したことによって、美容に積極的な生活を自分に課そうと決めた。 そう心掛けた上で、あの事件後にまず懸念したのは女性ホルモンの適切な分泌だった。 しかしこの心配は杞憂となる。 正常な女性の機能を取り戻そうとした治療は成果を見せずに終わったものの、それは生殖能力の回復が不可能だったというだけで、体内から女性の器官を喪失したわけではない。 むしろ一族は回復の望みを懸けて、彼女の生殖器を完全に再生しようとしていたのだから。 結果、肉体が第二次性徴を遂げようとするあいだ、再生医療の副作用なのかどうか、彼女の卵巣はより多くの女性ホルモンを全身に巡らし、女性らしい丸みを帯びたシルエットを作り上げることに大きく貢献した。 その皮肉な作用は、双子の姉妹である深夜と比べてみれば歴然とする。 高校に入った頃には、すでに真夜の身体は日本人離れしたグラマラスさを備えていたが、深夜は対照的に、日本人女性らしく着物姿などが似つかわしいスタイルに成長して見えた。 真夜付きの使用人は、彼女に合う洋服や制服を調達するのに苦労し、若くしてオーダーメイドが当たり前にもなっていた。 言うまでもないことだが、着るものを選んだのは、肥満スタイルだったから、ではない。 人並み外れて均整の取れすぎたスタイルだったからだ。 多くの既製服は、彼女に着られることを前提に作られておらず、服の方が彼女のプロポーションを持て余した。 日本人離れしたと言っても、コーカソイドと同じ体格というわけでもない。 いずれの人種を基準にしても理想的な調和が実現しており、それは既存のボディバランスからの大幅な逸脱も意味していた。 ボディラインのわかる格好で人前に出ることは「物騒」だと見なされたほど、悩ましくも非常識な肉体だった。 シックな和装などを華美に着こなす姉に対して、妹はコルセットドレスなどで豪奢に身を飾ると、どんなパーティであれ同席者らを圧倒し、我を忘れさせ、放心めいた溜め息の渦に感染させた。 彼女のプロポーションは、あらゆる女性のなかで最も理想の姿に近い、と現代魔法学からすれば不適切な賞賛を浴びせた者までいた。 優れた魔法師のプロポーションや手相・顔相は、理想的な黄金比の美に近付く、という古い考え方がある。 科学と魔法が融合した今世紀において、それは神秘主義の領域にある見識だ。 とはいえ、もとより魔法陣や呪印などの幾何学文様からあやかしの力を導き出すのが魔法の原理・原則である。 そんな力を用いる世界からすれば、あたかも魔法陣のごとき姿形を授かった者であるほど「魔」の深奥に近付けるのかもしれない……。 そうした考えが出てくることは至極自然であり、なんら奇妙でもなかったのだが。 魔術を意味する「グラム」と、魅惑的な容姿を意味する「グラマー」が語源を同じくするというのも、あながち無意味な一致ではないかもしれない。 ただ、人為的にデザインしうる「正解」が見出されていない以上、神による造形に任せざるをえないというだけだ。 遺伝子操作でプロポーションに手を加える技術はほぼ完成しているが、調整体魔法師に期待通りの魔法力を発揮させた実例もなければ、理論化もなされていない。 正解もなければ、理論的な証明も不可能だという点で、芸術の奇跡に通じるという意見もある。 ともかく、高校生の真夜が授かった容貌と肢体は、まさに芸術品と呼ばれるに相応しいものだった。 「まるでギリシャ彫刻の傑作のよう、いや彫刻の天才をしても表現しえなかった理想そのものだ」という賛美は、学生の頃から擦り切れるほど捧げられた。 それはただ完璧であるだけでなく、聖と俗が真夜の身体には同居していたことを意味する。 あやしい蠱惑の色香も、天使のようなあどけなさも、小悪魔的な人懐っこい魅力も、畏縮してしまうほどの高貴さに反して劣情を誘ってやまない妖艶さも内包した「矛盾の調和」こそが、芸術家には到達しえぬ領域なのだった。 同じく一族の当主候補として育成された深夜と真夜の姉妹だが、果たしてこのプロポーションの差が実力を隔てる一線となったのか、は知りようもない。 深夜は魔法力よりも精神の安定性に問題があり、それが魔法の才を損なってもいたのだから。 その上、不安定さを埋めようとするあまり自身に鞭する気性が重なっていた。 真夜に負けまいと限界を越えようとするたびに魔法師としての寿命を縮めていた。 真夜は、そんな姉の必死さをずっとそばで眺めていた。 能力や人間性で劣るかもしれない、というコンプレックス。 淑女としては完璧な作法を身に付けていた深夜だが、世渡りや、人を惹きつけることに関しては真夜の方が巧みだった。 深夜はその異能の性質ゆえに他人を恐れるところがあり、幼いころから妹の明るさに頼っていたきらいがあった。 だが今、その「妹」はいない。 深夜は深い喪失感に浸かった思春期を送っていた。 そして、その喪失の直接原因である自分を憎悪し、罪悪感に縛られていた。 真夜は、こんな姉が可愛くて仕方がなかった。 その可愛らしい顔が悲哀に翳るようすを目にするたび、もっとめちゃくちゃにしたい気持ちに支配され、喉がカラカラに渇いた。 とはいえティーンエイジにも至らぬ少女たちのすることだ。 言ってみれば、幼い戯れだったかもしれない。 それでも「姉妹愛を超えた」感情で繋がっていたのは確かだった。 特に真夜は、先天的とも解釈できる同性愛感情を伴っていて、異性には食指が動かないと薄々自認していたほどだ。 深夜はそんな真夜に振り回されつつも、互いの愛情を確かめ合うことを拒まなかった。 むしろ、系統外と呼ばれる未知の力を抱えた彼女は心に闇を抱えやすく、姉妹愛に深く依存していたのは真夜ではなく深夜の側だったろう。 ……今の真夜が客観的に洞察すれば、かつての姉妹は恋人のような仲だったと解る。 そして真夜のリセットされた自我は、(記憶や経験とは無関係に)改めて実の姉に情愛を抱いた。 あの日以来、深夜だけが性的な想いを寄せる対象となっていた。 おそらく自分は、生涯独身を貫く立場の人間だろう。 女として、誰かの妻となり誰かの母となる人生とは無縁に過ごして死ぬのだろう。 育ちに育った肢体も使いどころはなく、潔癖を通すことだろう。 だがそれは悲劇ではなく、むしろ望ましいくらいに感じている。 かといって、真夜は男性が嫌いなのではないし、怖いわけでもない。 知識として思い出せる、かつての自分が惨たらしく残酷な体験に晒されたのは確かで、それは仮に「他人の記録のように思える」としても、女性の身ならば知りたくもない出来事であったのは間違いない。 しかしその上で、自分が事故によって歪められた人生を送っているのではなく、納得のいく生き方を選べているように感じていた。 男性や、婚姻などと関わらずに生きられる今の自分を、真夜は満足して受け入れている。 真夜は、深夜の「魔法」のことも本当に感謝しているのだ。 姉の精神構造干渉魔法によって、自由な自分に生まれ変われたことを。 残念なのは、そのありがとうという気持ちを正直に伝えられないことだ。 深夜は「かつての私」が好きなのであって、「新しい私」が好きなわけじゃない。 彼女が取り戻したいのは「かつての私」からの愛情であって、「今の私」からの愛情じゃない。 元々の姉さんは、孤独を避けたがるタイプだった。 いつも私から離れようとせず、七草の御曹司との婚約が決まったときも、ずっとふてくされていたものだ。 「これでもう、姉さんは私を独り占めできなくなるのね。 でも、いつかはそうなるものよ」 そう事実を告げて、互いに姉妹離れをする決心をした。 私たちは、精神的な繋がりさえあれば充分だと信頼しあって。 そこにあの事件が起きた。 自立しかけていた姉さんの心はまた脆くなり、再び支えを必要とした。 一方で私は、人格をリセットしたと同時に、かつてと異なる愛を姉さんへ向けるようになった。 新しい私には、選択肢がふたつあった。 ひとつは、姉さんへの想いを秘めて、わずかでも過去の関係が取り戻せるように、支えつづけること。 もうひとつは、「姉さんがもっと悲しむ顔を見てみたい」という自分の欲求に蓋をせず、強引にでも関係を結ぶこと。 自分を傷付け、私のために辛い思いをしている姉さんが、とても愛おしい。 抱きしめたくなるほどに。 激しさを増す愛おしさに負けて、選んだのは後者の選択だった。 そう決断してからというもの、実の姉に対する真夜の愛は、獰猛な欲望のかたちへと変わった。 「私はもう姉さんから離れたりしないのに……。 喜んでくれてもいいでしょう?」 姉さんはいやいやをするように、目に涙をためながら首を振る。 それが可愛くて、また唇を奪う。 姉さんはいつでも拒絶はしない。 泣きじゃくりながらキスを受け入れてくれるが、心は閉じきっていることがわかる。 その固い扉をこじ開けたくて、私は姉さんを陵辱するような気持ちで、さらに深く口腔のなかを犯した。 息を忘れるほどの丹念なキスを済ませると、無抵抗になった姉さんは、声を殺して泣いていた。 かまわず、腰砕けになって力が抜けている体を襲って、全身を愛撫していく。 こんな行為を続けても、今の私を愛してはくれないと知りながら。 姉さんのなかから、かつての私を消すことはできないと知りながら。 私は、私に嫉妬を焼いていた。 今の私を姉さんが拒絶しないのも、私のなかにかつての私を感じるから、というだけなのだろう。 それ自体はかまわない。 この身体が姉との絆ならば、誘惑の材料に使うだけだ。 「昔の私とは、こんなことしなかったわよね?」 すっかり大人の身体になっていた私は、姉さんから様々な(思い付くかぎりの)「初めて」を奪った。 二人きりになれるときなら、状況も場所も選ばず「思い出」になるようなことを要求し、容赦なく犯した。 きっとこれは自分への罰だと思っているのだろう。 姉さんが内罰的に自分を責めているのなら、私はそれも利用して束縛するだけだった。 それに姉さんは、潜在的に私との関係を必要としているようにも思えた。 今のこんな私でも、求められればすがりつきたいほど、心が危ういのかもしれない。 それはどうにか救ってあげたかった。 私は姉さんの可哀想な姿をいくら愛していても、心を壊したいとまでは思ってないのだし……自分で言っても説得力がないけれど、私はサディストではないのだから。 たまたま泣いている姉さんが好きなだけで、姉さんは私が抱くとすぐに泣くだけで、単純に「泣かせたい」のとは、ちょっと違うと思う。 自己弁護はともかく、姉さんは私と体を重ねることで感情の泥を吐き出し、精神の安定をかろうじて保っていたようだった。 もちろんメンタルだけでなく、肉体的な悦びを与えることに関しても、「私」には自信があったが。 激しく辱めることより、姉さんを悦ばせる行為に集中して優しく抱いてあげた方が、より悲しみの表情が浮かぶことを私は見抜いていた。 私の身体で感じたり、開発を受け入れたりすること自体が、姉さんにとって切ないことなのだろう。 だから、姉さんが目を赤く腫らして泣いているときが、一番満足しているときだとわかる。 羞恥に耐えながら私をにらんでくるのは、高まる快感に震えているサインだ。 それがとても可愛くて、姉さんの前なら私は、いくらでも優しい言葉を囁くことができた。 姉さん。 愛してるわ。 気持ちいい? と尋ねたら、泣きながら頷いて、 大好きなの。 愛してる。 姉さんは? と尋ねたら、泣きながら首を横に振った。 「……そんな顔をするから」 姉さんのことを、もっと好きになってしまうのだけど。 その冷たい涙を舐めとるような愛し方が、私の姉さんへの愛となった。 愛し返されたい、とは少しも思わなかった。 今は姉さんに触れられるだけでよかった。 たまに自分が、姉を守る保護者であるような錯覚をしてしまうが、あくまで耽溺しているのは私の方だ。 人前で手を繋いだりしてそばを離れないときも、姉さんに避けられたらそれでお終い。 甘えているのは私であって、単に触れることを「許されている」だけだ。 その証拠に、私が強引に襲った直後の姉さんは、本当に冷ややかな目で私を見下すのだ。 「妹」の身を汚す、いやらしい女だとでも姉さんに思われているのだろう。 そういえば、同性の反応をもっと経験しておくために学校の女子生徒を囲ったとき、姉さんから酷く軽蔑されたものだった。 それは私に妬いてくれたのではなく、単にこの身体で淫蕩に耽ることが腹立たしかっただけかもしれない。 逆に姉さんは、私から逃れるために女を作ることがあった。 ……奪い取るのは簡単だったが。 今は私だけの姉さんだけど、私がいないならいないで、ガーディアンの娘でも誰でも代わりは勤まるだろう。 学校を卒業して、実質的に私が一族の当主となる頃には、そのくらい距離をとってもいいだろう。 ただし、私が姉さんに甘えたい日は、四葉当主の権限を使ってでもそばにいさせるつもりだ。 本当の姉妹のように仲良くしてみせよう。 そのとき、成人した姉さんが男と結婚していようと逆らわせる気はない。 死ぬときも、姉さんと二人きりがいい。 若くして衰弱の見える姉さんは、長生きしないかもしれない。 しかしベッドの上で看取るにせよ、戦場で共に果てるにせよ、最期の瞬間は「私の一番そばで死なせたい」というのが夢だった。 これは「私」への当て付けになっているのだろうか、と真夜は想像する。 この人はもう、あなたのものではないし、あなたには支えてあげることも、支配することもできないでしょう? 口惜しい? それとも羨ましいかしら? その答えは、「私」ではない真夜にはまったく想像できない。 実感の湧かない「記録」でしかない過去のイメージは、年々あいまいにしか思い出せなくもなっていた。 恋敵として、これほど手応えのない相手もいないだろう。 虚しい。 だから真夜は、まるで女の子のような憎まれ口を漏らすしかなかった。 「あなたには渡してあげない。 絶対に、私の方がずっと……何倍も何十倍も、姉さんのことが大好きなんだから」.

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