動か ない カカシ。 幸福論 〜第三章〜

【5/5まで】GW後半の行き先が決まってないなら、カカシを助けに伊豆松崎町に急げ

動か ない カカシ

先月、徳島県の一大イベントである阿波踊りが存続の危機!?というニュースが世間を騒がせた。 あの有名な祭りが赤字!?え、超たくさん人来てるイメージだけど!なににそんなお金かかってんの!? と、これを聞いた時は違和感しかなかった。 どうやら運営側でグレーな売上の取り合いが行われてたのが原因とのこと。 結局、徳島新聞社が3億円を寄付し継続するという形で落ち着いた。 わたし阿波踊り参加したことないからあまりイメージ湧かないけど、日本の伝統的な祭りが消滅するのは一日本人として悲しいので、とりあえずよかったよ。 地方では人口減少が進むにつれ、古くから守られてきたお祭りやイベントが、、次々に廃止されている。 徳島の阿波踊りの話も真実はわからないけど、大きな流れとしては人口減少に伴い財力が低下した地方自治体や企業が原因で起きたこと。 伊豆にも、来年以降は伝説になってしまうかもしれないイベントがある。 2018年5月5日(こどもの日)で最後になってしまうかも知れないそのイベントは、そんなこと微塵も感じさせないくらいのユーモアと感性にあふれていた。 これはお金かかってそう。 綺麗な花畑の中に、動かない人だかり(?) 花畑は観光客や地元民でにぎわう 田んぼ一面に広がる花畑。 手前の人、ずっと酒飲んでる姿勢変わらないな。 奥の人もさっきからずっと姿勢を変えずつっ立ってる。 ・・これ、ほとんどかかしだ。。 日本一ハイクオリティなかかし かかしと分かった瞬間ぞっとするwww え、どれが人でどれがかかしか分からんしwww ここまで読んで、《ちなみにかかし(案山子)ってなに?っていうひとへ》 かかしとは、田や畑などの中に設置して、鳥などの害獣を追い払うための人形やそれに類するなんらかの仕掛け。 細部へのこだわりがすごい 松崎のかかしは毎年違うテーマに沿って、一から作り替えられている。 花畑に合わせたかかし作りは2015年から始まり、年々力が入って体数も増えている。 2016年のテーマは「大家族の集合写真」。 2017年のテーマは「屋台」。 そして今年は「村の運動会」。 かかし一体一体、姿勢や表情などが精密に表現されている。 あまりにかかしのクオリティが高すぎて、 ついには昨年、美人でウワサだったカカシの花子が、ガチ誘拐(=盗難)されるという事件も起きた。 オモシロイけど、普通にちょっと怖い。 笑 一緒に写真を撮るしかない。 超ハイセンスなシーンのキリトリ 言葉で説明するまでもない。 経済効果が見込めないということが理由で花畑を続けるのが難しいとか。。。 花畑がなくなったら、、かかしも一緒になくなるの? 可能性としてはあるよな。 おうちに帰ってからもお花を楽しめるのいいね。 来年以降も、最低かかしだけ、出来れば花畑も続くことを願ってる。 とりあえず私にできることは、この素晴らしい、というか色んな意味でやばめのイベントを記事を通して拡散することだと思ったので書いてみた。 皆さんもこの機会に是非! 場所的にも穴場すぎてGWの嫌になる混雑にも合わなくて済むしね。

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[B!] 動かないカカシの意味「あなただけを見ています」隠し言葉は意味が深い

動か ない カカシ

「イタチじゃないの?一族皆殺しにさせられて里を抜けた犯罪者にならざるを得なかったんだから」 ってみんな思うでしょう? でも、僕はカカシが最も悲しいキャターだと思います。 まずはイタチとカカシを比較してみると ・イタチ 元暗部メンバー。 一族皆殺し。 里とうちはの二重スパイ。 ・カカシ 元暗部メンバー。 スリーマンセルの仲間(リン)殺し。 父親が自殺。 こうなります。 この二人の共通点は「仲間を手にかけた。 仕方のない状況で」だと思いますが、決定的に違う点があります。 それは、イタチにはサスケがいたこと。 イタチは一族を手にかけたといってもサスケだけは殺せませんでした。 そしていつの日か、サスケに殺されるために生きていました。 ある意味、イタチには未来があったのです。 成長したサスケと闘い、サスケを呪印から解放し殺されるという未来が。 たとえその未来の先に自らの死が待っていたとしても。 イタチは殺した一族や父母、シスイより、生きて成長して自分の元へいつの日かやってくるサスケを見て惨劇の夜の後を生きていたでしょう。 しかし、カカシにはもう誰もいません。 父親を自殺で失くし、忍界大戦でオビトを失い、里を守るためリンを殺し、師であったミナト先生は九尾のために死ぬ。 時系列ではおそらくこの順だと思います。 つまり、ナルトが生まれた日カカシは総てを失ったのです。 だからカカシには未来が無い。 永遠に過去を向いて生き続ける人です。 覚えてますか?カカシが初めて第七班のスリーマンセルにやってきた日、全く覇気がなかったというか、やる気ゼロだったのを。 カカシは最後の大切な人、ミナトを失ってからナルトが第七班にやってくるまでの十二年間を死んだように生きていたのではないでしょうか。 ちなみにカカシがナルト達以前の下忍を全員不合格にし続けた理由ですが、彼本人は「仲間を大切にしない奴はルールを守らない以上のクズだから。 」と言っていますが、僕はそれだけではないと思います。 自分のように大切な人を失くす子をこれ以上増やしたくないというカカシ自身の願いでもあったと思います。 かつ、カカシがいつも遅刻してくるのはオビトの記念碑に立ち寄っているから。 これを踏まえてオビトに言われた「仲間を大切にしない奴は」のセリフ、「バカだった自分を戒めたくなる」を考えてみるとやはりカカシの心は過去にあると思います。 しかし、実はカカシもナルトに助けられている一人ではないでしょうか。 大切な人をすべて失い一人になっても似た境遇のナルトがいる。 ナルトは常に前を向き続ける人です。 カカシはそこに未来を見出したのではないでしょうか。 たとえそれがかつての父やスリーマンセルと過ごした幸せな過去にはおよばなくとも。 だからサスケの里抜けの前、サスケの復讐を止めたのではないでしょうか。 サスケはナルトのライバルであり、だからこそ心の支えだから。 どうみてもカカシのガラではないでしょ?人のことに首突っ込むなんて。 でも、カカシとサスケもまた決定的に違うんですよね。 イタチにはサスケがいた様に、サスケにもイタチがいる。 復讐相手がまだ生きている。 イタチを殺すために生きるというのがサスケの希望だったでしょう。 一方カカシは、仲間が死んだのは忍界大戦のため、九尾のせい。 復讐相手がいないのです。 戦争という概念に復讐はできない。 戦争相手だって仲間を失い苦しんでいることはカカシも良く分かっている。 九尾はナルトの中にいるのでやっぱり報復はできない。 明確な相手がいないからカカシは復讐には走れず、やりきれない思いを抱え続けるしかない訳です。 イタチが最も幸せだったころはおそらく、子供時代、アカデミーから帰ってきてサスケと遊んでいたころだったでしょう。 イタチはその幸せは失くしますが、生き残ったサスケに殺されるという未来があった。 彼にとっては希望です。 では、カカシが最も幸せだったころはいつか。 父親サクモさんが生きていたころ。 オビト、リン、ミナトでスリーマンセルを組んでいたころ。 それをすべて失い、カカシには希望がない。 かつ、カカシはまだ生きている。 未来への希望が無い点においてはネジも一緒です。 同期が結婚し、子どもを育て、年を取っていってもネジは永遠に17歳のまま。 でも、ネジやイタチはもう死んでいるので希望が無くとも本人には関係ありません。 カカシが悲しいのは昔の幸せは二度と取り戻せない、これからの未来で得るかもしれない幸せも過去の幸せには及ばないとわかっている。 分かっているのに生きていかねばならないからです。 一度、カカシが死の世界に足を踏み入れたことがありましたよね。 神威の使い過ぎでチャクラ切れを起こし、命に係わった時です。 死の直前の回想で思い出したのは誰か。 オビトです。 死の世界の入り口でカカシを待っていたのは誰だったか。 サクモさんです。 サクモさんの発言からカカシの母はもう亡くなっていることも分かりました。 死の瞬間というのは一番その人の本質が出る場面だと思いますが、そこでカカシが思い出したのはすでに過去の人ばかり。 そして死んだとばかり思っていたオビトとの再会。 本来なら失くした幸せが思いがけず帰ってきた、カカシにとっては救いになるはずでした。 しかしそのオビトを殺さなければならない。 過去のオビトを守るため、里の未来のために。 いや、里のためというよりはナルトとその仲間たちのためでしょう。 まさしくアスマの言う「玉」を守るためです。 たとえそれがカカシ自身の幸せではないとしても。 また、クライマックスでの無読。 カカシはこれにかかりませんでしたが、かかっていたら間違いなくサクモさんやスリーマンセルで過ごした幸せな過去を夢見ていたでしょう。 もしかしたら、カカシは無読にかかることで戦意を喪失していたかもしれません。 僕は、カカシは無読の中で生きていった方が幸せだったと思います。 それを選択せず、戦い続けたカカシは間違いなく強い人です。 強いからこそ危ない。 一度死のうと決めてしまったら、彼は迷わず死ぬでしょう。 強いから迷わないのです。 ためらわないのです。 つまり、カカシはもう過去と同等、それ以上の幸せは望めない、幸せの絶頂期は過ぎてしまった。 それなのに生きていかねばならない。 ある意味死ぬより苦しいです。 これが僕がカカシがで最も悲しいキャターだと思う理由です。 このことを踏まえるとで出てくるカカシの姿にも納得がいきます。 世代が結婚し、子どもを作っても、同期のアスマが紅と結婚しても、カカシは結婚しません。 なぜか?幸せだった過去に囚われているから。 結婚して子供をつくるというのは未来への希望を持っていない人間にはできません。 子ども=玉は未来そのものだからです。 おそらくカカシはこれからも結婚しないでしょう。 それはそれでいいとして、僕が恐れているのはカカシが自殺するのではないかということ。 自殺というよりはわざと危険な任務につくのでは、ということ。 カカシが今日まで生きてきたのはオビトの目となって里の未来を見据えるため、そしてナルトに希望を見出し、守りたかったから。 今、ナルトは火影となりもう守られる必要はなくなりました。 オビトを倒し、写輪眼を返した以上、もうオビトの目になる必要もないのです。 カカシは里の平和と引き換えに人生の目的を失いました。 そして自分にとって大切な人たちはみなもう死んでいる。 どういうことだってばよ? つまりカカシはもう生きている理由がない。 カカシにとっては、です。 誤解を恐れずに言うと、カカシにとっての最高の幸せは失くした過去である以上、死んだ方が幸せであるということです。 はある意味KAKASHIであったと思います。 無読というクライマックスでかつての仲間と対峙するカカシ。 のもう一人の主人公はカカシであったといえます。 そしての終わりはナルトにとっての始まりでカカシにとっての終わりです。 ナルトは見事戦争を終わらせ火影となり、これから里を守っていく。 始まりです。 一方、カカシは戦争が終わり、かつての仲間オビトを葬った。 終わりです。 ナルトが火影としてスタートを切った時、カカシの役目は終わったのです。 もうカカシに心残りはありません。 でも、願わくばカカシ、余生をゆっくり過ごしてほしい。 過去に囚われたままでもいいから、新しい木ノ葉の里を見守って平穏に生きてほしい。 やっと平和が来たのだから。 カカシはわずか12歳で上忍になるほどでしたから写輪眼がなくてもかなり有能でしょう。 ナルトの世界で有能な人はたいてい幸せに生きていません。 イタチしかり、ネジしかり。 でもサイだけちょっと例外です。 これは単なる僕の考察ですが、カカシの救われた姿がサイなのではないでしょうか。 サイは暗部養成部門「根」のシステムの中で育ち、危うく兄のシンと殺し合いをさせられそうになりました。 本当に殺し合いをしたのか、あるいはサイの言う通りシンは病死したのかはわかりませんが暗い世界で育ち、感情を失くしたのは確かでしょう。 しかし、サイはナルト達と出会い、過ごしていく中で人間らしさを取り戻し、では結婚までしています。 サイとカカシの違いは何なのか。 二人は同じ元暗部ですが、サイはナルトに出会うことができました。 カカシにはナルトのように辛い過去に寄り添ってくれる人はいませんでした。 カカシの仲間は皆死んでしまいましたから。 そして何より、サイは根を「抜ける」ことで苦しい過去を置いてきたと解釈することもできます。 この点はイタチも里を「抜ける」ことで暁という新しい居場所を見つけたともいえます。 しかし、カカシの苦しみはこの世界そのもので起きたこと(忍界大戦、父の自殺、九尾襲来)なので「抜ける」ことはできません。 この世界から抜けるには死ぬしかないですから。 この決定的な違いが、サイは過去を振り切り新しい希望、玉=いのじんを得て、カカシが過去に囚われたままである理由だと思います。 以上、長々とカカシの考察でした。 でカカシがどう活躍するのか、しないのかじっくり見ていきたいと思います。 しなくてもいいよ、カカシ。 kyo-heix.

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僕を呼ぶ声 3

動か ない カカシ

途中で足が限界にきて転げそうになり、ゆっくり歩を止める。 もうずいぶんと走った。 追ってくる姿はどこにもない。 うまく逃げおおせたようだ。 目の前には桟度橋があって、カカシの家からかなり遠くまで来たことが分かる。 自宅はもうすぐで、火影の家はもっと近い。 ここまで来れば大丈夫。 そう思ったが、とにかく火影の家に逃げ込むのが先決だ。 同時に喜びも。 尻尾を上げ、イルカは意気揚揚と橋を歩き始めた。 遠くには火影の家の屋根が見えて、ここからは一直線の道だ。 あとは走り抜けるだけ。 動かなくなった自分の足を見下ろして、考える。 知っている。 はっきり言って自分は被害者で、人間に戻りたいと思うのはごく当然のことである。 なのにどうして、人をペット扱いしていた非常識な少年のことを考えるのか。 あんな奴、天罰が下ればいい。 なりふり構っていられない現状ではあるが、つまるところ自分は、こっそり逃げ出すのが嫌なのだ。 忍の世界で、しかも、危険な暗部に属する少年は、ひょっとしたら明日死んでしまう身かもしれない。 世が世なら、それは自分にも言えることだが、別れは常に自分たちの隣にある。 残してきた少年のことがどうしても気にかかり、イルカは後ろを振り向いた。 でも、それほど悪い人間じゃないと、いつしか気づいていた。 戻って見つかることに恐れがないわけではない。 けれど、このままでは気になって帰ることができない。 普通であれば問題ない。 安心して帰られる。 イルカは自問に答えられず耳を伏せた。 わからない。 カカシの元へ。 *** 最後に見た場所に、カカシはもういなかった。 カカシと話していた魚屋の主人の足元へ行くと、「あれ? さっきの坊主の犬だね」と頭をがしがし撫でられた。 主人の口ぶりに、イルカはほっと安心したが、同時に少し胸が痛んだ。 そんな意味の分からない落胆に驚き、慌ててぶんぶんっと頭を振る。 これでいい。 別にいい。 イルカは勇んで歩き始めたが、足は正直だった。 さっきとは打って変わって、鉛のように重い。 結局、とぼとぼと人波の中を歩いていると、白いものが視界が入る。 冷たい風に空を見上げると、雪が降り始めた。 初雪に喜び合う友達は、今ここには一人もいない。 仕方がない。 カカシの家に、ちょっとだけ様子を見に戻ったら、今度こそ帰ろう。 自分でも、どうしてこれほどカカシにこだわるのか説明がつかなくなっていた。 振り回されるだけの体はすっかり冷え切って、どんどん降ってくる雪に足が痺れる。 こんな雪の日は、家の中で暖かく過ごすのが正しい過ごし方だ。 間違っても、とぼとぼと雪の道を歩かない。 やがて見えてきたカカシの家に、イルカは茂みの中に隠れながら移動した。 足音は雪が消してくれる。 気配を消すのは難しかったが、雪に急いで帰宅する通行人が多く、目立たなければ気づかれることはない。 茂みの傘を借りて、イルカは匍匐全身をしながら慎重に家が見える位置まで行った。 出て行った時と同じ格好で、買物袋まで持ったまま。 勝手に尻尾が動いたが、イルカには気づく余裕もない。 カカシがもしも自分を探していれば、また逃げたかも知れないが、それは分からない。 でも、こんな状況は考えなかった。 ただ、待ってるなんて。 イルカは悩んだ。 その間にも、降り積もる雪は動かないカカシの体にどんどん積もっていく。 イルカには茂みの傘があるが、あのままでは風邪をひいてしまう。 それは、心の奥底にあった、自分のまぎれもない本心だ。 同情かも知れない。 友達になりたいけれど、人間と犬じゃおかしい。 自分は犬じゃないんだから。 彼が犬の自分を待っているのなら仕方がない。 が、 ぴく、と耳が動く。 口布に覆われた唇は少しも動かないけれど、でも、聞こえる。 白い弾丸のように茂みから転がり出てきたイルカに、カカシが視線を向ける。 無表情な目が怖くて、途中から歩みは遅くなったけれど、イルカはその足元に座った。 見下ろす目には何も浮かばない。 イルカは飛び出してしまったことに少し後悔しながらも、じっと逸らさずにその視線を受け止める。 聞いたことのない冷たい声音。 まるで見えない壁がそこにあるようで、イルカは悲しさに耳を下げる。 問いかけられた言葉も、難しすぎてとても説明しきれない。 正直、寒さによる幻聴ではなかったかと自分でも疑わしいが、 (僕を呼んだ) 声はしないけど、たしかに聞こえた。 その声に、おもわず飛び出していたのだ。 なにより、自分は犬だというのに。 そんなことを真剣に考えていたけれど、ふいにぶるっと震えが走り、小さなくしゃみが出た。 雪はいよいよ本降りになってきた。 鼻についた雪を払おうとすると、上から伸びてきたカカシの手に抱き上げられる。 その手は雪に負けないくらい冷たかったけれど、カカシの心臓近くに押し付けられたイルカは服の中の温かさにうっとりした。 ぶんぶん、と尻尾が動くと、カカシのため息が聞こえる。 どういう意味のため息か。 イルカは気になったけれど、カカシはそれ以上何も言わなかった。 それがいったいどうしたことか。 まるで本当の家に帰ってきたかのように、 イルカの心は落ち着いていた。 *** 再びカカシの家で寝泊りを始めたイルカは、以前とは異なる生活に少し首を傾げた。 何より、毎日の修行が無くなったことは大きい。 ためになるとは思えない苛めにも似た修行が無くなるのは嬉しいが、本格的にペットにするつもりなのかと内心びくびくしていた。 しかし、カカシはペットという言葉を一度も口にしなかった。 そんなカカシの異変に、イルカはなるべく傍にいるように心がけた。 常にぺったりとカカシの傍にいると、撫でてくれる手はうっとりするほど優しい。 優しい、というのが最大の異変である。 「メシ、作る?」 そう言って、買った時のまま無造作に冷蔵庫に入れていた食材を使い、まともな食事を用意してくれた。 一応料理もできるのかと感心していたが、時々魚を洗剤で洗おうとしたりするので監視は必要だった。 不器用に人間らしい食べ物を料理する隣で、イルカは尻尾を振りながら観察兼応援をしていた。 簡単な料理が出来上がると、イルカは食器を頭に乗せて運ぶ。 テーブルが無いのでそのまま床に置くことになるが、カカシと一緒に食べられるならどんな場所だっていい。 一緒にまともなご飯を食べられることに、イルカは大満足だった。 その他に、買出しにも一緒に出かけた。 あんなことがあった後だから、もう外には出してもらえないかと思ったが、カカシは玄関の扉は簡単に開けてくれた。 初雪は長く続き、二日経っても少し降っている。 いつ天候が変わるか分からない上に、かなり積もった雪にカカシはいつもイルカの体を抱きかかえてくれた。 反対に、まったく無防備にされることもあり、逃げようと思えばいつでも逃げられたけれど、イルカはそうしなかった。 寒さを除けば楽しい雪は、他にも思わぬ贈り物をしてくれた。 とうとう念願のコタツがカカシの家にやってきたのだ。 買出しの途中、イルカが物欲しげにコタツを見ていたのにカカシが気づき、その場であっさり購入してくれたのだ。 暖房器具がまったくないカカシの家に、やっと到着したあたたかいコタツ。 さっそく亀の子のようにコタツと同化したイルカに、カカシは笑った。 カカシは前以上に喋らなくなったが、時々こうして笑う。 自分を見て、静かに微笑むのだが、どこか寂しそうで、嬉しそうで、言葉では言い表せないとても大人びた笑みだ。 その笑顔を見るたびに、イルカの胸がぎゅうと痛くなった。 どうしてそんな顔をするのか問いただしたい。 でも、たとえ喋れたとしても、カカシは答えないだろう。 こんなに近くにいて、前以上にカカシのことを理解しようと努力しているけれど、カカシは人間で、自分は犬で。 本当は互いのことは何にも知らなくて。 犬になってから半月以上経つ。 さすがに、イルカの不在に周囲の人間は騒ぎはじめているだろう。 だって積もった雪は体が埋まってしまうほどで、寒いの嫌だし、天候が変わりやすいし。 イルカはそう自分でいい訳をして、カカシの傍に居続けた。 時々、深夜にふと目を覚まし、カカシの姿を探す。 また暗部の仕事に出て、怪我をして帰ってきてないか気になるからだ。 すぐ傍に眠るカカシを見つけると、心の底から安堵する。 眠っている顔に鼻を近付け、体温を感じ取ろうとした。 イルカは胸にわきあがる寂しさと戸惑いに、カカシにぺったりとひっついた。 ついに雪が止んでしまった。 温かい気温に、積もった雪はみるみる溶けていく。 剥き出しになった地面を、イルカは窓から見詰めていた。 止んでしまった。 雪がとけたら、と何度も思っていたけれど、実際にその時がきても、まだ決断は出来なかった。 カカシが、ふいに服を着替え始めた。 彼が手にしたお面に、イルカは嫌な予感を覚える。 カカシが着込んだのは暗部の服だった。 今回はどんな任務なのか。 帰りを祈らなければならないものなのか。 自分は犬だが、帰りを祈るぐらいのことはできる。 やはり、帰るのはカカシが無事に戻ってきてからにしようとイルカは思ったが、 「おいで」 カカシが、外へとイルカを手招きした。 どうしたことかとついていくと、玄関の鍵を閉められる。 久しぶりの空は茜色だった。 雲が夕焼け色に染まっていて、山のように大きな雲が動くのを見上げていると、ふと声をかけられる。 いつもの顔が見えないだけで、これほど印象が違うのか。 オレねえ、ずいぶん忍犬飼ってるけど、人間が化けた犬はまだ調教したことが無かったんだ。 耳も尻尾も哀れなほどぺたりと下がり、大きな目には動揺の涙すら浮かぶ。 なんて滑稽な話か。 そして、なんて理不尽な話か。 カカシは人間と知った上で、人を犬扱いして、あげくペット扱いまでして、そして、飽きたと放り出すのだ! どうしてこんな奴と友達になりたいとなんて思ったのか。 自分のあまりのお気楽さに涙が出る。 悔しい。 俯いて背中を丸めるイルカに、カカシはまだ言葉を続けた。 「オレ、一応暗部にいるから。 人間に戻っても見たこと聞いたこと喋らないで。 オレに金輪際近付いちゃ駄目。 全部忘れるんだ。 始末されたくないでしょ? わかった?」 聞きたくない。 もう何も聞きたくない。 ぷるぷると頭を振ると、冷たい声が終わりを告げた。 「早く行きなよ。 泣きながら全力で。 振り返らない。 もう絶対に。 カカシは遠ざかっていく子犬の背を、ずっと見送っていた。

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